月経前症候群(PMS; Premenstrual Syndrome)は月経前3-10日の間に精神的あるいは身体的な症状が現れ、月経が来ると症状が落ち着いたり、なくなったりします。
治療が必要のない軽度のものも含めると、多くの女性(90%以上)には何らかの月経前症状があるとされています。
しかしながら月経前症状がある女性のうち、5-10%程は日常生活に支障を来し、治療を要する可能性があります。
※PMSの重症型で、精神症状が強いものはPMDD(月経前不快気分障害)と診断されることもあります。
症状
気分の変化(精神的症状)を引き起こすだけでなく、身体的症状も引き起こすことがあり、一般的には以下の症状があります。
精神的症状
イライラする、食欲が増す、怒りっぽい、心配・不安が強い、気分の落ち込み、悲しみや絶望感、集中力の低下など
身体的症状
乳房、腹部の張りやむくみ、頭痛、肌荒れなど
検査・診断
月経前症候群に対しての特別な検査はありません。
問診によりどのような症状がいつ現れるかを確認します。
月経(生理)が始まる1-2週間前にのみ起こり、月経中や月経直後には起こらないこと
精神的に、あるいは身体的影響により日常生活に支障が出る
※ただし、似たような症状が他の疾患・原因により出現することもあるので、それらの可能性を除外する目的で超音波検査や血液検査が必要になることもあります。
治療
セルフケア
お薬による治療を受ける前にまずは自分でできることもあります。 定期的に運動する;ウォーキングなど軽い運動でも効果があります。 ストレスを軽減する;リラクゼーションエクササイズ(ヨガ、呼吸法など)、 食事;栄養バランス良く3食を食べる。食べ過ぎない。
お薬による治療法
漢方薬;患者さんの体質に合わせて使用することで症状の改善を期待します。
低用量ピル(OC、LEP);ホルモンの変動による症状改善が期待できます。月経痛・月経過多などにも効果があります。
抗うつ薬(SSRI);精神症状が強い場合は抗うつ薬(SSRI)が使われます。