はじめに
子宮鏡検査とは、直径が3mm程のファイバー(子宮内に挿入する部分が柔らかく曲がる軟性鏡)を膣から挿入し、子宮頚管、子宮内腔へと進めていき、子宮の内腔、両側の卵管口、子宮頚管の状態を観察する検査です。通常の経膣超音波では観察が難しい、子宮の内側の病変の存在や広がりを直接観察することが可能です。
検査の対象となる主な疾患や病態
以下の疾患が疑われる場合にその管理方針や治療方針を決めるために子宮鏡検査をおこないます。
- 子宮内膜ポリープ
- 子宮筋腫(特に粘膜下筋腫という子宮の内側に突出するタイプの筋腫)
- 子宮奇形(中隔子宮など)が疑われる場合
- 子宮内腔の癒着が疑われる場合
- 子宮内の異物
- 胎盤遺残
また、以下のような場合にも子宮鏡検査をおこなう場合があります。
- 閉経前後の不正性器出血の原因検索
- 不妊症・繰り返す流産の原因検索
- 子宮頚管内の病変の評価
- 子宮鏡下手術後のフォローアップ
検査のリスクや合併症
検査後に軽度の腹痛やわずかな出血を認めることがあります。検査自体の合併症としては子宮穿孔(0.1%未満)の報告もありますが、まず起こりえません。
実際の検査の流れ
子宮鏡検査をおこなう時期は、月経終了後が最も適しています。
細いファイバースコープを使用するために検査に伴う痛みは少なく、軽い生理痛程度の痛みであることが多いです。麻酔も必要ないため、外来で短時間(5分未満)で検査が可能です。
検査はモニター画面を見ながらおこない、患者さんにも説明しながら進めていきます。